こんにちは。
京都のパーソナルトレーニングジム「パーソナルラボR」の雛元です。
・最近歩く事が大変になってきた。
・段差で転けることが多くなった。
・骨折をよくする。
年齢を重ねたお客様や、ご高齢のご両親が居らっしゃるお客様から上記のようなお悩みを良く聞きます。
日常生活動作(ADL)の機能が低下してしまい一般的な日常生活を送ることが困難な方が増えてきています。ちなみに身体能力の衰退は20代後半からすでに始まっています
その後に…
「でももう歳だから仕方がない」
という言葉が出てきたり致します。
え~
大丈夫です!
日常生活動作(ADL)の維持には筋肉は必要不可欠になります。
日常生活動作(ADL)は筋肉の働きに依存しており、加齢によって筋肉量が減少してしまうことによって歩行能力の低下につながると推測でき、筋肉量と日常生活動作(ADL)には密接な相関関係があることが証明されています。
その事から筋肉量を増やしていけば、日常生活動作(ADL)をスムースに行える様になるという事です。そして…
・筋肉は60代を超えてもつくことは解明されております。
・骨も強くすることは可能です。
上記の事から日常生活動作(ADL)能力が低下しても回復できる可能性は大いにあるという事です。
今回のブログでは60代以上の方の「1番良い筋肉のつけ方」「骨の強化方法」の2つがわかりますのでご覧頂ければ幸いです。
※理由や説明等はどうでも良いから、日常生活動作の改善方法だけを知りたい方は1番下に「まとめ」があるのでそちらから読まれることをオススメ致します。
60代からのADL向上方法
まずは結論からです。
筋力トレーニング
定期的に筋力トレーニングを行うことによって筋肉量が増加し、日常生活動作(ADL)の向上が促せます。
また…
エアロビクスよりはバレーボール、それよりは重量挙げというように、骨にかかる力が大きく、また繰り返しが多いほど骨を強くすることがわかっています。引用元:骨粗鬆症財団
筋力アップだけではなく骨密度の強化にも筋力トレーニングは効果的である事がわかっています。
スポーツや縄跳び
スポーツや縄跳びといったジャンプを行う運動は筋力アップにも繋がりますが骨密度の上昇に繋がり、骨を強くしてくれます。その結果、転倒時の骨折を予防できる事になります。
不動(不活動)の時間を減らす
不動・不活動とは全く動いてない事を意味します。
以前のブログでもご説明いたしておりますが、不動状態が続くと筋肉量は低下します。
さらに24時間の不動状態でも筋肉細胞の中に脂肪が入り込んでしまうことも研究にて判明しております(※1)
ではここからは具体的な対策をご説明致します。
筋力トレーニングの内容
日常生活動作(ADL)の改善や向上を考えた時には基本的に速筋(タイプⅡ)と言われる種類の筋肉を鍛えていく必要があります。
速筋を鍛えていくには「ダンベルやバーベルを使った高負荷な運動」が必要になります。
なぜ速筋を鍛えるのか?
筋肉は筋繊維というものから出来ています。その筋繊維の種類は2つあり「遅筋(タイプⅠ)」と「速筋(タイプⅡ)」に分けられます。
身体はこの2つの筋線維でバランスが取られており、遅筋・速筋という2つの筋線維の割合は生まれつきほとんど変わりません。
(例)遅筋45% 速筋55%→(5年後)遅筋46% 速筋54%
これらを踏まえた上で速筋(タイプⅡ)を鍛えた方が健康として良い理由は下記のようになります。
速筋とは…
・早いスピードで収縮する。
・瞬間的に大きな力を発揮する
上記のような特徴があります。
では速筋繊維を鍛えていけば日常生活においてどのような効果があるか?
速筋繊維が強くなると…
・しっかりとバランスを取るために踏ん張ることが出来る。
・走ったりする際に力を出してくれる。
上記のような事が起こるので「歩行動作の改善」や「転倒予防」にも繋がります。
しかし年齢を重ねると上記で説明した筋繊維の割合において、どんどん速筋の割合が低くなっていくのです(※2)
これは遅筋の割合が増えていくからではなく、速筋が減っていくために起こる現象です。そのため…
・立ち上がる時の踏んばり。
・階段を早く降りていく。
↑このような動作が出来なくなってしまいます。
上記のような動作時には身体に大きな負荷が掛かるのでその負荷を受け止めるために速筋が働いてくれます。
しかし加齢とともに速筋が減少していけばこれらの動作が行えなくなってしまうのです。
そうならないようにするために、年齢を重ねるごとにダンベルやバーベルを使ったトレーニングが必要になっていきます。
スポーツや縄跳びで骨強化
先程あげた速筋を鍛える高負荷での筋力トレーニングは筋肉量の増加を促しますが、もう一つの利点もあります。
それは骨の強化につながることです。
そしてその他には縄跳びや、サッカーやバレーボールといったジャンプが含まれるスポーツでも骨密度の上昇が得られることがわかっており、骨の強化につながります。
アメリカ、ミズーリ大学の研究によると骨密度が少なかった男性が筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)及びジャンプトレーニングを行ったところ6か月後に骨密度の増加が得られました(※3)
やり方は…
・筋力トレーニングでバーベルやダンベルを使った高負荷のトレーニングを行う。
・スポーツや縄跳びで多くジャンプをすることが重要となります。
25歳から50歳までの閉経前の女性たちが1日20回のジャンプで股関節の骨密度が大幅に上昇した研究結果もございます。
このような研究結果から筋力トレーニングやジャンプを含むスポーツは骨密度を改善し、骨の強化を促してくれるものという事がわかります。
不動の時間を減らす。
不動(不活動)の時間が長くなると筋肉量の低下が起きる上に、筋肉細胞の中に脂肪が入り込んでしまう事は以前のブログや、今回の冒頭にてお伝えいたしました。
このようなことに加えて、不動が続く事による筋力低下は、遅筋の低下が進んでしまいます(※2)
・加齢により速筋が低下。
・不動により遅筋まで低下。
この二つが組み合わさってしまうと…
・立ち上がり時にしっかりと踏ん張れない。
・転倒しやすくなる。
・少し歩いただけで疲れてしまう。
このような状態になってしまいます。
そうならないようにするためには、全く動かない不動の時間を減らして、筋力トレーニングや散歩等の運動をする事が不動による筋力低下を起こさない対策になります。
日常生活動作の向上(まとめ)
日常生活動作(ADL)を向上する方法はこの3つ。
筋力トレーニングで速筋を刺激する
加齢により落ちていく筋肉は速筋線維なので、速筋線維を鍛えることが出来る高負荷の筋力トレーニングがオススメです(※2)
また高負荷の筋力トレーニングは骨密度が増えることもわかっています。
スポーツや縄跳びで骨の強化
前述の筋力トレーニングでも骨の強化は出来ますが、ジャンプを行う事でも骨の強化に繋がる事がわかっています。
骨を強化することによって転倒した際の骨折を防ぐことが可能です。
何もしない時間を減らす
何もしない時間=不動(不活動)
不動(不活動)の時間が長くなると筋肉量の低下・遅筋繊維の低下等が起こり全体的な体力低下が起こります。体力低下を起こさないためにも何もしない時間を減らす必要があります。
今回のブログはここまでになります。
今回のブログタイトルでは60代以上としていますが、人間の身体能力は20代後半から衰えていくので早い段階から定期的な運動習慣をつけていくことをオススメ致します。
参考文献
(※1)
園田茂「不動・廃用症候群」
(※2)
沓澤智子「サルコペニアとフレイル」
(※3)
Pamela S. Hinton「Effectiveness of resistance training or jumping-exercise to increase bone mineral density in men with low bone mass」
このブログを読んで
・もっと細かい説明がほしい!
・自分の気になる身体の事を教えてほしい!
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